顎や歯列が成長していく過程で、歯列不正や萌出異常が生じた時、正しい方向へ成長するように導いていくことが小児矯正です。
歯列不正の原因には様々なものがあります。
遺伝的な要因、歯と顎の大きさの不調和、生える位置や時期の異常などが原因と言われています。最近はこれらに加えて、指しゃぶり・頬杖・口呼吸などの悪習癖や、咀嚼力・舌の力不足なども原因としてクローズアップされています。
当院ではこれら両方の面からアプローチして、お子様のお口がより良い方向へ成長し、しっかり噛めるお口になるように考えております。
特に当院では患者様の負担を軽減するために、以下のことを基本としています。
だらだらと装置をお口に入れて治療を続けることは様々な負担が生じます。当院では適切な治療時期を見極めて治療を開始します。また治療を一時お休みして様子を見ることもあります。それにより通院や費用の軽減、装置を口腔内につけることへの物理的・心理的負担の軽減になります。
固定式装置は歯みがきの難しさからむし歯になりやすいものです。最終的に歯列を整える時期までは、できるだけ取り外しのできる装置を使用します。取り外しができるので常にお口に装置が入っている状態を避けられ、お子さまの負担も軽くなります。
矯正装置を装着した直後や、装置を交換した直後は痛みを感じることがありますが、通常3日から1週間程度でおさまります。
治療中、装置のまわりは、むし歯や歯周炎のリスクが高くなります。むし歯や歯周炎のリスクが高いと判断した場合は、フッ化物塗布、フッ化物洗口を積極的に行っていきますが、フッ化物の応用を希望されない場合はあらかじめお知らせください。
歯に矯正力がかかると、歯ぐきが下がる歯肉退縮や、歯の根が短くなる歯根吸収が起こります。もともと歯根が短い方は、歯根吸収の傾向が見られた場合、治療を中断する場合があります。
エッジワイズ装置などの固定式装置で個々に歯を動かした場合、0.01パーセントの確率で歯の歯髄が壊死する場合があります。
歯牙を移動する際にまれに歯牙の骨との癒着により歯牙の移動が難しい場合があります。抜歯治療で癒着が起こった場合、抜歯した部位を補綴治療にて改善する場合もあります。
矯正治療中、口が開きにくくなったり、アゴに音がするようになったり、痛みが生じるなどの症状がでることがあります。その場合は矯正治療を中断して、顎関節の治療をすることがあります。
取り外しできる矯正装置の装着時間を守らない場合や、定期的な来院が出来ない場合、治療期間が長くなる場合があります。
矯正治療で歯を動かして歯並びが改善しても、また歯がもとの位置に戻ろうとする傾向があるため、一定期間動かした歯を適切な位置にとどめておく「保定」が必要です。歯の位置が安定するまで保定装置をご使用いただきます。